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年間取引報告書と確定申告の基礎:株式投資で申告が必要なケース

株式投資をしていると、年が明けて「確定申告は必要なのか」と迷う人は多いはずです。判断の基本となる考え方と、準備しておく書類を整理します。

公開日: 2026年10月18日 / 読了の目安: 約5分

1制度・税金

年間取引報告書とは

年間取引報告書は、特定口座で1年間に行った取引の結果(売却損益や、配当金の受取額、源泉徴収された税額など)を、証券会社がまとめた書類です。毎年、年が明けた1月から2月ごろにかけて、証券会社から交付されます。最近は、ウェブサイトからダウンロードできる電子交付も多くなっています。

確定申告が必要な場合は、この書類の数字をもとに、申告書を作成します。

2制度・税金

確定申告が必要になる主なケース

次のような場合は、確定申告が必要になります。

  • 一般口座で、売却益が出た
  • 特定口座(源泉徴収なし)で、一定の所得を超えた(給与所得者の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えるなど)
  • その年の所得が、ほかにも多くある場合(個人事業の所得など)

どの場合に必要になるかは、個人の状況によって異なります。判断に迷うときは、税務署や、税理士などの専門家に相談してください。

3制度・税金

申告しなくてもよいケース

特定口座(源泉徴収あり)で取引していて、ほかに申告が必要な理由がなければ、確定申告をしなくても、課税が完了します。売却益や配当金にかかる税金は、すでに証券会社が差し引いて納めているためです。

また、NISA口座の取引は非課税のため、NISA口座だけで取引している場合は、申告は不要です。

4制度・税金

申告したほうが有利になるケース

申告が義務ではなくても、確定申告をすることで、税金が戻ってくる(または軽くなる)場合があります。

  • 複数の証券会社で、利益と損失が分かれている(損益通算)
  • 前年以前の損失がある(繰越控除)
  • 外国株式の配当で、外国税額控除を使いたい
  • 配当所得が少なく、総合課税(配当控除)のほうが有利になる場合

こうした場合は、毎年の損益をきちんと把握しておくことが、判断の前提になります。

5制度・税金

確定申告の時期と方法

確定申告は、原則として、翌年の2月16日から3月15日までに行います(休日の関係で、前後する年があります)。申告の方法には、次のようなものがあります。

  • e-Tax(インターネットで、電子的に申告する)
  • 国税庁のウェブサイトで申告書を作成して、郵送や持参で提出する
  • 税務署で、書面で申告する

申告の期限を過ぎてしまっても、あとから申告できる場合がありますが、状況によっては不利になることもあるため、早めの準備を心がけましょう。

6制度・税金

申告前に準備しておきたいもの

スムーズに申告するために、次のものを、早めにそろえておくとよいでしょう。

  • 特定口座年間取引報告書(複数の証券会社があれば、すべて)
  • 一般口座で取引している場合は、売買の明細
  • 配当金の支払通知書
  • 前年に繰越控除を受けている場合は、前年の申告書の控え
  • 自分の売買記録(証券会社の書類との照合用)

制度の細かい取り扱いは、毎年見直されることがあります。実際の申告では、国税庁の最新の案内をご確認ください。

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自分の記録と証券会社の書類を突き合わせる

年間取引報告書が届いたら、自分の記録と照らし合わせて、数字が合っているかを確認しておきましょう。主に、次の項目を比べます。

確認する項目見るポイント
年間の売却損益自分の記録の実現損益の合計と、大きな差がないか
配当金の合計受け取った配当金の記録の漏れがないか
源泉徴収された税額配当や売却益から引かれた税金の合計が、想定どおりか
取引の件数報告書にある取引が、自分の記録にすべてあるか

差があるときは、手数料の含め方や、取得価額の計算方法の違い、記録の漏れが原因であることが多いです。申告に使うのは、証券会社が作成した報告書の数字ですが、自分の記録と合わせて確認しておくと、ミスに気づけます。

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よくある質問

Q. 年間取引報告書は、必ず届きますか?
A. 特定口座を開設していて、その年に取引や配当の受取があれば、証券会社が作成します。電子交付が標準の証券会社も多いため、ウェブサイトの書類のページで確認してください。

Q. 確定申告をすると、扶養や保険料に影響しますか?
A. 申告する課税方式によっては、所得が増えたとみなされ、扶養の判定や、国民健康保険料などに影響する場合があります。申告前に、影響を確認しておくことをおすすめします。

Q. 申告の期限を過ぎてしまったら、どうなりますか?
A. 期限後でも申告できますが、場合によっては、加算される税金が生じることがあります。早めに税務署へ相談してください。

Q. 税理士に頼まなくても、自分で申告できますか?
A. 特定口座の年間取引報告書を使えば、国税庁のウェブサイトで、自分で申告書を作成できる場合が多いです。複雑な場合は、税理士などの専門家に相談するのもひとつの方法です。

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例:申告が必要かを判断する流れ

次のような順番で考えると、整理しやすくなります。

  • 1. どの口座で取引したか(特定口座か、一般口座か、NISAか)を確認する
  • 2. 特定口座の場合は、「源泉徴収あり」か「なし」かを確認する
  • 3. 損失の繰越や、複数の証券会社の通算、外国税額控除などを使いたいかを考える
  • 4. 年間取引報告書を見て、年間の損益と、源泉徴収された税額を確認する
  • 5. 迷うときは、税務署や税理士に相談する
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まとめ

  • 特定口座(源泉徴収あり)なら、ほかに申告の理由がなければ、確定申告は原則不要。
  • 一般口座や、源泉徴収なしの特定口座では、申告が必要になる場合がある。
  • 損益通算・繰越控除・外国税額控除などを使うには、申告が必要。
  • 年間取引報告書と、自分の記録を照らし合わせて準備する。
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!ご利用上の注意

この記事について

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買や税務上の判断を 勧めるものではありません。税制や各種制度は改正される場合があります。個別の判断が必要な場合は、 国税庁・金融庁・各証券会社の公式情報をご確認いただくか、税理士などの専門家にご相談ください (記載内容は2026年10月時点の一般的な内容です)。