配当利回りの基本の計算式
配当利回りは、次の式で求めます。
配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金 ÷ 株価 × 100
たとえば、株価が2,500円で、年間の配当金が1株あたり100円の銘柄なら、配当利回りは 100 ÷ 2,500 × 100 = 4.0% です。100万円分の株を持っていれば、年間でおおむね4万円の配当が見込める計算になります(税金を引く前の金額です)。
「年間の配当金」に何を使うか:予想と実績
分子になる年間配当金には、大きく2つの考え方があります。
- 予想配当:会社が決算短信などで公表する、今期の配当予想。これから受け取れる見込みの金額です。
- 実績配当:直近の1年間などで、実際に支払われた配当金の合計。過去の事実なので確実ですが、将来を保証するものではありません。
中間配当と期末配当がある企業では、両方を合計して「年間」で見ます。また、記念配当や特別配当が含まれる年は、通常の年より数字が高く出ます。翌年も同じ水準が続くとは限らないため、内訳を確認しておくと安心です。
株価ベースと取得単価ベースの違い
同じ配当でも、割る金額が違えば利回りは変わります。
| 見方 | 分母 | 分かること |
|---|---|---|
| 株価ベース | 現在の株価 | 今から買ったときの利回り(新規に買う人の目線) |
| 取得単価ベース | 自分の平均取得単価 | 自分が投資した金額に対する利回り(保有者の目線) |
例として、1株2,000円で買った銘柄が、現在2,500円になっていて、年間配当が100円だとします。株価ベースでは 100 ÷ 2,500 = 4.0%、取得単価ベースでは 100 ÷ 2,000 = 5.0% です。値上がりした分、株価ベースの利回りは下がりますが、自分の取得単価に対する利回りは高いままです。
税引後の配当はいくらか
配当金には、国内上場株式の場合、通常20.315%の税金がかかります。たとえば、配当金が1株あたり100円なら、手取りはおよそ79.7円です。年間の配当が10万円なら、手取りはおよそ79,685円になります。
NISA口座で受け取る配当金には、この税金がかかりません。同じ配当利回りでも、口座の種類によって手取りは変わります。利回りを比較するときは、税引前か税引後かをそろえて考えることが大切です。
数字を見るときの注意点
配当利回りが高い銘柄は魅力的に見えますが、次の点に注意が必要です。
- 株価が下がって利回りが上がっている場合:業績の悪化が理由で株価が下がっているなら、将来の減配につながることがあります。
- 一時的な配当を含む場合:記念配当・特別配当を含んだ数字は、翌年は下がるかもしれません。
- 配当の持続性:利益に対して配当が多すぎないかを、配当性向などで確認します(別の記事で解説します)。
- 株式分割の影響:分割後は1株あたりの配当も変わるため、分割前後の数字を比べるときは調整が必要です。
利回りだけで判断しないために
配当利回りは、投資先を比べる便利な物差しのひとつですが、それだけで良し悪しは決まりません。配当を出す企業の利益の安定性や、株価の値動き、配当を増やしてきた実績なども、あわせて見る必要があります。
自分が保有している銘柄については、買った金額に対する利回り、これまで実際に受け取った配当の合計、今後の配当予定を記録しておくと、長い目で見たときの成果が分かりやすくなります。
例:3つの銘柄を比べる
配当利回りが同じに見えても、中身が違うことがあります。次の3つの架空の銘柄で、考えてみましょう。
| 銘柄 | 株価 | 年間配当 | 配当利回り | 1株利益(EPS) | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 1,000円 | 30円 | 3.0% | 100円 | 30% |
| B | 5,000円 | 250円 | 5.0% | 500円 | 50% |
| C | 2,000円 | 100円 | 5.0% | 90円 | 約111% |
BとCは、配当利回りが同じ5.0%です。しかし、Cは配当性向が100%を超えており、利益以上の配当を出しているため、今の配当を長く続けられるかには、注意が必要です。配当利回りだけでなく、利益に対する配当の余裕も、あわせて見る習慣をつけましょう。
よくある質問
Q. 配当利回りは、何%以上なら良いのですか?
A. 決まった基準はありません。市場全体の水準は時期によって変わりますし、業種によっても違います。数字の高さだけでなく、その配当が続くかどうかも、あわせて考えることが大切です。
Q. 配当利回りが高い銘柄は、割安といえますか?
A. 必ずしもそうとは限りません。株価が下がったことで、結果的に利回りが高くなっている場合があります。その背景に、業績の悪化がないかを確認しましょう。
Q. 投資信託やETFにも、配当利回りはありますか?
A. 投資信託では「分配金利回り」と呼ばれ、考え方は似ています。ただし、分配金には、運用で得た収益のほかに、元本の一部が払い戻される分が含まれることがあります。分配金が多いからといって、必ずしも運用が好調とは限りません。
Q. 株式分割があった年の配当は、どう見ればよいですか?
A. 分割の前後で、1株あたりの配当が変わるため、そのまま比べることができません。分割の比率で調整した金額で、前年と比較しましょう。
まとめ
- 配当利回り = 1株あたりの年間配当 ÷ 株価 × 100。
- 株価ベースは「今買う人の利回り」、取得単価ベースは「自分の投資に対する利回り」。
- 国内株式の配当には20.315%の税金がかかるため、手取りでは約8割になる(NISA口座は非課税)。
- 利回りの高さだけでなく、配当性向や業績の安定性もあわせて確認する。
この内容を、Asefoでどう活かせるか
Asefoの保有銘柄の画面では、会社予想の配当をもとにした「予想配当利回り(取得単価ベース)」を確認できます。株価ではなく、自分が買ったときの平均取得単価で計算するため、自分の投資に対してどれだけの配当が見込めるかが分かります。
配当金を受け取るたびに記録しておくと、実際に受け取った配当の合計も、あとから振り返れます。
この記事について
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買や税務上の判断を 勧めるものではありません。税制や各種制度は改正される場合があります。個別の判断が必要な場合は、 国税庁・金融庁・各証券会社の公式情報をご確認いただくか、税理士などの専門家にご相談ください (記載内容は2026年10月時点の一般的な内容です)。